2009年11月3日火曜日

今後IT産業はもっと悲惨なことになります。

今後IT産業はもっと悲惨なことになります。


IT系の広告を読むとコスト削減TCO削減、経費削減という文句が踊ります。

なぜかというと、IT産業では、明確な数値目標を達成できるのはコストしか指標がないからです。

そんな日本では、なにかというとコスト削減というのが合い言葉になっています。

もはや、IT分野で削減できる部分がないのにもかかわらず、削減削減と騒いでいました。

おかげで、ITコンサルタントを称する人は削れないコストまで削ってしまったため、現在、企業のITは死に体のところも多くあるわけです。

本来の指標であれば、投資に対するリターンです。
専門用語ではROIといわれるようです。

例を挙げてみましょう

額が大きすぎるとわからないので、想像しやすい数字にしてみます。

10万円を銀行に預けて1年後にいくらになるか。

10万円が11万円になると年利10%ということになります。

六本木のディスコやでマハラジャ東京でバブルを謳歌していたころにはまれにあった金利ですが、今から考えるとあり得ない超高利回りです。

さて、この投資に対するリターンは、IT業界では、どうなるでしょうか。
パソコンを10万円で買うと、1万円得する方法は? という説明です。

通常の説明では、
「いままで年間20万円の経費がかかっていたことを10万円のパソコンを買うことで、18万円の経費で済みます。
だから、10万円のパソコンも、5年も使えば年間2万円ずつ節約できるので元が取れます。
6年目からは2万円のお得です。ほらとってもお得でしょ。だから買ってちょうだいな」
という具合に、5年間まったく無故障で動くことを前提に見積もります。

でも、その中には、パソコンが使えるように社員を教育することや、せっかく慣れてきた社員が退職してしまってもう一度教育しなければならないということは、口をつぐみます。

こういう説明が従来のITなのです。

とそのため、すっかり、コスト削減してしまって、ほとんど機能しないITがわんさかあるのが現状の日本なのです。




新興企業は、コスト削減以前の段階です。
それに、比較的ITを使いこなす人が集まっているので、ITは空気のような存在で仕事をしています。

すると、ITに強い新興企業と、従来からITを導入しているものの骨と皮になってしまっている老舗との対決になります。

これでは、古くからITを導入しているといっても話になりません。

では、どうすればITを活用できるのでしょうか?

コスト削減以外に目を向けるしかありません。

つまり、IT化により利益を上げることを考えることです。

そうかといって、すくなくとも日本のIT産業にはそんな提案ができるところはありません。

ITで利益が上げられるのなら、とっくに自分たちでやっているからです。

もしも、ITで利益が上げられると反論する方がいらっしゃるのなら、こういう提案をするべきです。

「御社のIT化を無料でいたします。IT化によって儲かった利益の一部を我々に還元して下さい」と。

そんなバカなことができるはずがないと言うのが、IT見積もりの専門家の目ですよね。

そのため、わたしがこんなことを書いたとしても、「ITで利益を上げられる」という反論ができる方はほとんどいらっしゃらないので安心です。

そういえば、ITゼネコンの大手は、フリーランスのプログラマやらデザイナに仕事を委託して利益が上がったところから、一部を報酬として還元していますね。


ともあれ、日本の現状から世界に目を向ければ、ITにより実際に利益を出している会社が存在します。

「御社は無料でITをお使い下さい。そこで上げた利益の一部を我々に還元して下さい」という会社は存在するのです。


一例を挙げれば、アマゾンのマーケットプレイスです。

いってみれば、インターネットを使ったフリーマーケットです。

出品者は古書を無料で登録して、お客さまが成約されたらアマゾンが集金代行します。
出品者には手数料を差し引いて支払われます。

いかがでしょうか。

御社に利益が出なければ、代金不要ですというサービスです。

今後のIT業界は、このように基本的にはお客さまの使用料が無料で、お客さまの利益が上がったときだけ手数料をいただきますというビジネスを模索しなければならない時代に入ったのです。

ただし、残念ながらIT投資系はいったいいくら儲かるんですか? という問いには答えられません。

一年間で、いくらの利回りがありますは、神のみぞ知ります。

もっともらしい数字を出したとしても、信じられません。

お客さまがどれくらい購入するかどうかは、バットを振ってみなければ当るかどうかまでは、わからないからです。

さて、今後のIT業界では、コスト削減しすぎた企業のITにはリバウンドしない程度に体力を付けていかなければ将来がありません。

コスト削減ばかりではなくて、いち早くITを使って儲かるという提案ができなければ、ますます悲惨な状態に陥ることでしょう。

もしも、ITを使って儲かる提案をお客さまにしたいのなら、創客営業研究所お問い合わせまでご連絡下さい。

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