2016年2月1日月曜日

ラテラルシンキングで抽象化


ラテラルシンキングで抽象化

『もし、わたしが、顧客に望むものを聞いたら、「もっと速い馬が欲しい」と答えていただろう』
これは自動車王フォードの言葉です。
フォードは、お客様が知っている移動する方法を「馬車」といったに過ぎないと悟ったのです。
そのため、フォードは、具体的な「馬車」を「速く移動できる何か」に抽象化したのです。

速く移動できる何かを実現できれば、お客様は馬車じゃなくても何でも構わないのです。

これが抽象化です。

IT営業が勧めるサーバーという具体化は、データを保存する何かに抽象化したら「たまたま」クラウドだった、ただそれだけなのです。
だから、クラウドも別の何かが出てくれば、当然、何かに置き換えられるでしょう。


日本人は昔から抽象化が得意?

さて、この抽象化は日本人は得意でした。

「でした……」というのは、いまの日本人は得意じゃなくなってきています。

抽象化は別の言葉で表現すれば「見立て」です。
茶道で言うと茶碗に景色を見いだすというのです。

茶碗は高熱で溶けた塗料(釉薬)が思いもしない模様をつくります。
この模様を想像力を働かせて景色と見立てます。
千利休は、古めかしくて地味な様を好みました。
いわゆる、わびさびです。
これを理解できると、(つまり想像力が秀でているということで)風流人だということになります。
秀吉、分かりやすいことが好きだったので、一目見ただけで豪華だと理解できる金銀ピカピカを好みました。

現代人は、忙しいこともあって想像力を働かせる暇がありません。
だから、見立ては不得意です。

封筒を貼るには何を使う?

封筒を締めるのに、スティック糊やセロハンテープが必須です。
昔の日本人だったら、そんな気の利いたモノはありませんでしたから、ご飯粒を練って張ったでしょう。

スティック糊、セロハンテープ、ご飯粒は抽象化すると同じモノです。
ようするに封筒を止められれば、なんでも良いのです。

さて、ラテラルシンキング(水平思考)を得意とする人は、この抽象化を無意識におこないます。
封筒と言ったら、ご飯粒が使えるねと想像するのです。

普通の人なら、封筒とご飯粒に関連性を見いだすことは困難です。

まず、封筒の使い方は……封筒に書類を入れて、閉じる。
このときに糊が必要。
糊がなければ、買ってこなければ……。
ここで、ようやく、ご飯粒で代用できかも? という考えが浮かびます。
突飛なアイディアに見えますけれど、分解すると、ちゃんと筋が通っているのです。

ラテラルシンキングは突飛に見えるけれど…

ラテラルシンキングの天才は、一見、無関係に見えることを繋いでしまうのです。

でも、我々凡人は、そう簡単につなげません。
だから、トレーニングが必要です。

絶対似ているぞ!?トレーニング

ちょっとやってみましょう。

「電気スタンドとペットボトルはよく似ている」

ここでは、言い切ってしまうことがコツです。

で、言い切ってしまうと頭の中は「?」で一杯になっているはず。

コレがいいのです。

人間の脳は、不安を嫌います。
不安というのは、わからないことがあると生じます。
だから、不安を解消するには答えを知ることなのです。
テレビのクイズ番組では、答えはCMの後でというのは、不安な状態を解消するまで(つまり答えを知るまで)チャンネルを変えないだろうと言う、たくらみなのです。

で、電気スタンドとペットボトル。
「頭をヒネって使います」

電気スタンドは、頭(スタンドの傘)のスイッチをヒネってつけます。
ペットボトルは、頭(文字通りキャップ)をヒネってふたを開けます。

で、どちらも、頭を切り替えたいとき、つまり頭をひねっているときに使います。
電気スタンドは勉強しているから、知恵を出そうと頭をヒネる。
ペットボトルは、ほっとひと息入れたい時、よしこれからやるぞ! と切り替える時。 

ま、「整いました」がキャッチフレーズのお笑い芸人ではないので、これくらいで許してください。

抽象化では、機能分解

このプロセスは、抽象化の機能分解という作業を頭の中で始めます。

電気スタンドの機能        ペットボトルの機能
電気コンセントを繋ぐ           ×
    ×              液体を入れる
勉強する時に使用             △
スイッチを捻る            ○キャップを捻る 

捻るについて共通点を見つけた!
捻るついでに、勉強だから頭を捻るも共通だ(これはセレンディピティ)。

ということで、この機能分解が頭の中で展開されるのです。
ここでの電気スタンドはスイッチを捻るタイプです。

電気スタンド

ボタン式だと、別の回答を導くために、機能分解を続けていきます。

話を戻すとIT業界なら、サーバーの機能分解をして、ユーザーの目的も機能分解します。

この機能分解したうえで、共通点を探るトレーニングは、ユーザーの目的にあったソリューションが売れるようになるでしょう。

ソリューションとは、決して持てて、見えて触れるモノばかりではないのです。
解決策の提案がソリューションの提案です。
あるSIerで「我が社では、残念ですが、御社のソリューションは扱っていません。」という冗談みたいな返答がありました。
ソリューションは解決策の提案なので、そもそも有るとか無いより以前の話になります。

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