2016年1月8日金曜日

良い研修ほど受講後にモヤモヤする!?

良い研修ほど受講後にモヤモヤする!?

実は、応用編にの研修であれば、モヤモヤすることは当たり前なのです。

もちろん、講師の実力不足で受講した後にモヤモヤするのは別の問題です。
新人研修では基礎編なので、受講後にスッキリさせなければ講師の実力不足です。

応用編でもスッキリとしてしまったら、応用編になっていません。
基礎編では答えが1つだけだったりしますが、応用編になれば答えはいくつもあるからです。
もちろん、答えがわからないでモヤモヤすることと、答えはいくつも考えられてモヤモヤすることは別です。

基礎研修はスッキリ

基礎研修といえども、自分で考える訓練が必要だという人もいます。
けれども、考える足がかりがなければ考えようもありません。
いってみれば、目的地を知らせないまま地図を渡しているようなものです。

新人には、地図を渡すだけではなく地図の読み方と明確な目的地(研修で達成する内容:ゴール)を示さなければ、どうやって行動するのかわかりません。
基礎研修では答えを明示する必要があります。

実力無い講師はどんな研修もモヤモヤ

最近では、経費節約のために教育の内製化が流行です。
教育を内製するといっても、IT化やグローバル化によって出向先から戻されたベテラン社員が担当するとこもあります。
会社も給料を払わなければならないわけで、そうした社員が教育担当になったりします。
ましてや、教える手法を知らないまま講師に任命される不幸なベテラン社員もいます。
こうした、名ばかり講師は、目的地をいわぬまま地図を渡して、はいどうぞで終わりになりがちです。
講師自身が何も知らないから、示しようがないのです。
なのに受講者の振る舞いが思惑通りいかなければ、最近の若いヤツらは……という話になってしまがちです。

こうした講師には同情します。
教える知識を得られる機会が無かったからです。
講師には、講師育成の講座があります。
トレイン・ザ・トレーナー(通称TTT)といった講座があります。
ワーク(演習)中心の講座でありながらも、教育理論から基礎が身に付きますので講師を目指すなら受講するべきでしょう。
もともとは、マイクロソフトなど公認トレーナーを取得するための資格講座です。

同じトレイン・ザ・トレーナーという名称でもネズミ講まがいの講座ありますからご注意下さい。
たいてい「稼ぐ」「カリスマ」などのキーワードがあるので、すぐ判別できます。

応用編は考え方が違う

さて、応用編になってくると教育のプロセスが変化します。

新人教育など基礎では手取り足取りでした。
基礎を確実にするために応用編があるのです。

基礎研修では、地図を地図の読み方に目的地を示します。ゴールは目的地に到達することなので、講師によってはルートも教えます。
これが応用編になると目的地に着くことだけがゴールではなくなるのです。
応用編では、目的地だけを示してプロセスは受講者に任せます。
すると、新企画に使えるアイデアを発見したり、チームワーク形成であったりとゴールがいくつも存在します。
目的地に行くというプロセスで、どのような気付きがあったかという研修が応用編の主題になります。
すると、受講者によってゴールのチョイスが異なるのです。
コミュニケーション能力向上なのか、効率的な仕事の進め方なのか、チーム形成の習得なのか。
講師はこうした受講者の目的に合わせてフォローに回ります。

ゴールがいくつもあると言うことは「明確さ」と離れてしまいます。
受講者によっては、業務に直接結びつかないという人もいるでしょう。
まさにそれは、応用編だから。
業務に直接結びつけられるかどうかは、物事をどれくらい抽象的に捉えられるかという能力になります。

歴史が好きな経営者が多い理由

経営者にお会いすると歴史好きな方が多いです。
戦国時代を抽象化すると自分の会社の問題解決に当てはめられるからです。
もちろん、現代は戦国時代と環境も何も違っています。業務に直接結びつけられるはずがありません。
これをムリヤリ当てはめられる能力が、抽象化能力というわけです。
経営者は抽象化能力が優れているので、歴史が面白くなるのでしょう。
いくつものゴールが見つかるからです。
でも、抽象化できるスキルが低ければ、業務に結びつけられることなどはできません。
いずれ、抽象化能力が高まってくれば、モヤモヤが解消されていきます。
逆にモヤモヤしない研修は、お粥みたいなものです。
いつまでも消化しやすいものばかりを食べていると顎の力が鍛えられません。
だから敢えて固いものを食べる。
口の中でもぐもぐしているうちに、顎の力も鍛えられるし吸収力もアップするのです。
というわけで、実力の無い講師の研修でモヤモヤは論外ですが、応用編研修の後にモヤモヤが残るのは考え続ける良い研修です。

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