2016年1月9日土曜日

ロジカルシンキングとラテラルシンキング

ロジカルシンキングとラテラルシンキング

ロジカルシンキングとラテラルシンキングには、誤解が多いので解説します。

ロジカルシンキングとラテラルシンキング


ロジカルシンキングとラテラルシンキングとはバランスです。
コインの裏表の関係なので、どちらか一方だけで存在することはできません。
なのに、現在はロジカルシンキング偏重になっていませんか。
ということです。

決してラテラルシンキングさえあれば、ロジカルシンキングは不要だといっているわけではありません。
どちらか一方あればいいという誤解が多いのです。

ロジカルシンキングは無駄を省いて効率化する考え方です。
答えがわかっているのなら、ロジカルシンキングで最適化できます。

ロジカルシンキングだけでは変化に対応できない


しつこいですけれど、ロジカルシンキングが不要とは言っていません。ロジカルシンキングだけでは、対応できないということです。
正解がわかっていることなら、ロジカルシンキングが効率よい思考法になります。
世の中は徐々に変化していきます。
企業の置かれている環境は変わっていくのです。

最適化されればされるほど、その仕組みは、環境の変化に対応できません。
太古の昔、恐竜が滅びたのは自然環境の突然の変化について行けなかったからです。
恐竜は当時の環境に最適化されていたからこそ、王者にもなり敗者にもなったのでしょう。

最適化とは無駄を取り去った状態です。
ただし、無駄がなければいざという時に緩衝に当たる部分がなくなり恐竜のように滅亡にもつながります。
企業も最適化されればされるほど、倒産の危機があるのです。

無駄がない、余裕がない状況は、
言うなれば自動車のハンドルに遊びがない状況です。

F1と乗用車の違いって?

F1マシンなどには、ほとんど遊びがないそうです。
時速300キロで100分の1秒を競うマシンですから、F1パイロットの操縦に最適化しているのです。
もちろん、F1はレーシングサーキットに最適化されているから、無駄を極限まで省くことができるのです。
こうしたF1レーシングではPDCAサイクルでコンマ1秒縮める改良を繰り返します。すると、F1マシンはどれも似たようなスタイルになります。ロジカルシンキングを駆使した結果です。
スピードの追求にロジカルシンキングを極めると、レーシングチームは違うのF1にマシンは、どれも似てしまうのです。

一方で乗用車は、F1マシンと違って高速道路だけを走るわけにはいきません。
泥道は走りますし繁華街や住宅街はもちろんのこと狭い駐車場にも停車しなければなりません。
だから、乗用車は多彩な車種がありますしF1マシンにはないトランクだとかエアコンやカーステレオという装備もあります。

ロジカルシンキングでビジネスモデルを極めると

ロジカルシンキングを駆使すると、どれも似たような形になります。

これは、大量生産時代には適切でした。
例えば電気製品。
同じ型の冷蔵庫を洗濯機をテレビを大量につくるには無駄を省けば省くほど利益が増えます。

数年前に地上デジタルに移行したときには、短期間で大量にテレビを供給できました。
効率化が行き届いていたから短期間で供給できたのです。
在庫を提供できた会社ほど利益になるので競争でテレビを作りました。

繰り返しますが、作れば作るほど売れるのなら短時間で大量につくれる会社が有利になります。

ところが、現在はテレビ製造の会社の業績は思わしくありません。
行き渡ってしまったからです。
しかも、現在は冷蔵庫も洗濯機もほとんど行き渡っている状況です。

各社が競争して、作れば作るほど短期間で行き渡り、過剰に提供することになります。
速く作れば作るほど速く自分達の首を絞めていくのです。

モノがあふれていても欲しいものがない


他社より少しでも優れているものを作るという正解があればロジカルシンキングが使えます。
品質という目標に向かってロジカルシンキングを使えば、無駄なく効率よく相手の品質より高く作れます。

ただし、
高画質テレビを各社が競争して作るので、専門家くらいにしか違いがわからなくなってしまいました。
バラエティ番組を見ている程度ならテレビ画質の違いなどは気になりません。
しかも、テレビ局も各局が競争で効率よくバラエティ番組ばかり、放映するので高画質は必要とされない状況がです。

高画質が活かされやすい自然ドキュメンタリー番組などは、それなりに制作費も時間もかかるので作られない。

テレビ局は高画質を活かせない放映にテレビメーカーは高画質にこだわったテレビをつくる。

テレビが売れる要因が見当たりません。

あなたの製品サービスが競合他社よりいくら優れていようが関係ない

過剰在庫をさばくには安くする

前回は、高画質テレビを過剰に作っても売れない例をあげました。

過剰になれば、早く在庫をさばかなければなりません。
在庫が余れば、家電メーカーは困ります。
売れたお金で、材料費やら従業員の給料を支払うからです。
過剰な分は持っていても倉庫代がかさむので、破棄するのか、売りさばくか選ばなければなりません。

捨てるにも産業廃棄物でお金がかかる。
ならば、売りさばくしかない。

早く売るには、他社より値段を下げるしかない。
各社、同じような製品に性能なら安い方を選ばれるからです。

欲しいものがない

なぜ、安くしなければいけないのか?

これは、実に単純な話です。
他社と同じ事をしているからです。

他社と同じ事をしているから一般ユーザーは選べないのです。

選ぶにしても専門家くらいにしか違いがわかりません。
専門家が選ぶのに苦心するようなものを一般ユーザーは欲しくありません。
買った途端に失敗だと思う可能性が高いからです。
なにしろ、専門家でも選べないのですから。

なぜ、こうなってしまうのか?
最適解が似ているからです。

そもそもですが、誰でも同じようなレベルのモノを作りたいからこそ、ロジカルシンキングを学びます。
ということは結果的に、ロジカルシンキングでは求める最適解が似てしまうというこのなのです。
最適解が同じであれば、各社が競争する方向も同じになってしまうのは当然のことです。

逆に今までに無いものを作れば、たくさんの人が欲しがります。
事実今までに無い、iPhoneやiPadはたくさんの人が欲しがりました。

携帯電話はお客さまの声を取り入れていくうちに、高機能かつ高性能化しました。
そして、高機能ゆえに複雑になりすべての機能を使いこなせる人がいなくなりました。


iPhoneやiPadは、初期状態では基本的な機能しかありません。
ユーザーの上達によってアプリで機能を増やすことができるのです。
だから、同じiPhoneを使っていても人によって、ユーザーのレベルによって機能が違うのです。

こうして、他社と比べられない製品が出てきた時、発売日には行列ができるほどの人気になるのです。
新型iPhoneの行列は風物詩になっています。

どうやったら新しいモノができるのか?

同じようなものを、同じようにやれば、同じようなものができます。
そう思いませんか?

違う事をやれば、違うモノができますよね。

簡単ですよね。

同じものを同じようにすれば、同じものができる。
違うものを違うようにすれば、違うものができる。

ロジカルシンキングに偏っているから、同じようになるのなら、
エッセンスとして違う思考法、ラテラルシンキングを加えれば違う物になる。

たったこれだけです。

競合他社なんてどうでもいい

いったん、ラテラルシンキングで発想を広げてからロジカルシンキングで絞ります。

最初から、ロジカルシンキングで競合分析なんかするから、競合よりちょっと良い物しかつくれないのです。

そもそも、お客さまは、競合より良いものが欲しいのじゃありません。

あなたの会社の競合はどうでもいいのです。
お客さまは、自分自身のニーズに合うモノが欲しいのです。

大切な事なのでもう一度いいます。

あなたの会社の競合はどうでもいいのです。
お客さまは、自分自身のニーズに合うモノが欲しいのです。

ラテラルシンキングセミナーでは、こうした気付きを演習から身に付けます。
こうした体験は口コミで広がっているようです。
意外な老舗企業さんや自治体さんからの問い合わせが増えているのでしょうね。

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